欧州単一特許制度(UP)戦略の策定における特許調査の活用について
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企業や法律事務所は、過去10年間ほど、欧州単一特許(UP)の理論的な意味を検討してきました。そして制度が始まろうとしている今、自社や競合他社のポートフォリオをどのように評価するかを真剣に検討し、UPに対応した出願やIP管理戦略の変更を実行しなければいけません。
この記事では、UPを利用した新世界に自信を持って踏み入れるにあたり、特許調査ツールがどのように役立つか考察します。
広がる特許調査のフィールド
FTOだけでなく、無効資料調査のスコープの拡大も予想されます。 実際に訴訟に発展するケースが増えるかは別として、UPの行使で国内先行権が無効になるおそれのあるものが新たな集合として控えています。欧州の一国にでも先行技術が存在するとUP全体が消滅する可能性があるため、質の高い無効性調査の重要性がより一層高まることになります。
UPにどう備えるか?
企業やクライアントのリスクプロファイルに起こり得る変化に対応するために、特許調査の計画を策定してください。知財の状況が変化するにつれ、社内の知的財産部門、外部の弁理士、特許調査会社の間で定期的にコミュニケーションを取ることが重要になります。UPがオンライン化した後、そして今後数年間、UPの実効果が現れるまで、定期的な検証や見直しをすることも大事です。
「新しい特許を取得しようとする場合、新しい技術を展開しようとしているが、特許を取得したくない場合、訴訟の脅威や懸念がある場合、すべてリスクマネジメントが必要です」と、Vanderheyden氏は述べています。「企業は、リスクマネジメントのさまざまな側面に対して、先を見越した戦略をとり、後手に回らないようにしなくてはいけません。」
特許調査とUP出願に対する2つのタイプの企業のアプローチを検討してみます。
一方の企業は、研究開発と特許取得の初期段階でリスク許容度が高い企業だとします。そのような場合は、特許が実際に異議を申し立てられるか、侵害訴訟が起きてから、無効資料調査などで深く調査を掘り下げることを好むかもしれません。
他方は、早い段階から広範な特許調査を追求する企業だとします。このような企業は、UP出願がオンライン化された場合、新制度を受け入れる可能性がより高いかもしれません。
ほとんど何も対策しない、またはUPの開始と同時に新しい戦略に多大な投資をする、こういった両極端の仮説が、時間が経つにつれて適切なものになるとは考えにくいでしょう。
代わりに、すべての知財従事者は、長期的に特定のビジネスのニーズとリスクに対処しうる慎重で十分に練られた計画を作成し、UPを取り巻く状況がさらに明確になるにつれて調整ができるような準備を整えておく必要があります。
つまり、自社の戦略やプロセスを評価し、それがUPの体制でも機能することを確認する必要があります。
UP計画を最適化するツール
RWSは、リスク管理、出願プロセスの合理化、企業のIPポートフォリオの最適化を支援するために設計された、多様で定評のあるリサーチツール群を有しています。FTO、無効性などに関する当社の特許調査サービスおよびツールは、お客様のニーズに応じて正確かつ包括的な結果を提供しながら、お客様の目標や予算に柔軟に対応します。
RWS IPサービスのツールは以下の通りです。
• 特許調査データベース PatBase:1億件以上の特許と関連文書から構成されています。
• AOP Connect:知財専門家のグローバルネットワークを利用し、従来型の調査とクラウドソーシングを組み合わせた特許調査の参考文献や先行技術を整理、保管、管理する特許調査プラットフォームです。
• クラウドソーシングを活用し、迫り来る訴訟に最も包括的かつ網羅的な調査を実現します。
• UPまたは従来型の特許出願にかかわらず、ポートフォリオ管理を合理化する業界屈指の翻訳および出願サービスを提供します。
• 経験豊富な調査プロジェクトマネージャーが、新制度についての戦略評価と調整をサポートします。
上記の他にもツールをご用意し、当社の特許調査専門チームが御社のUP計画を支援します。UPに備えるにあたり、私たちがどのようなお手伝いができるか、是非お問い合わせください。